この
北極域研究船と
スマートオーシャン議連を立ち上げようと、
海洋文化拠点にしようというところは
上川先生の発想だったんですけど、そもそも
上川先生は何でこんなことを
思いついたかというところをちょっと振り返りますと、
スマートオーシャンシンポジウムを開きましたので、もし詳しく知りたい方はユーチューブにも出ておりますので、そちらを御覧いただければ私の話がなぞれます。もともと
上川先生は、
大陸棚調査推進議員連盟の
事務局をやっておりまして、
日本の
大陸棚、要は
日本の
エリアを
世界で確定させるための交渉の場に、国連の場に
日本の代表の1人として選ばれて、その
協議にも関わり続けておりました。そこで
日本の
大陸棚の主張を交渉し、実際に
日本側の
主張どおりの結果に導くという
経験をされておりまして、
海洋の
重要性を認識されたというのが一番の
きっかけだったそうです。
その後、2016年に
北極のフロンティアについて考える
議員連盟というのに所属されて、
国際会議にも何度も参加されました。そこでの
テーマというのは
北極航路ですね。あるいは
北極での
資源エネルギーの
開発の
可能性と
問題点、地質、動物、植生など様々、
北極での分からないことがたくさんありまして、ここの
部分の
重要性をこの
国際会議で認識されたということです。
その
拠点がノルウェーにありまして、
国際会議、あるいは何度も
日本の
代表団としてそこを訪問して知ることになったと。先ほど申しましたように、
日本の
研究チームが25年間にわたって
観測を行っていたんですけども、
日本の
観測結果の評価が非常に高いものでありまして、これは
日本政府としてもっと力を入れなければいけないということで、先ほどの
北極域研究船の
開発にもつながるわけなんですけれども、
北極の
重要性というものをさらに強く意識したということでありました。
北極というものは何なのかというところも
説明をさせていただきたいんですけれども、
日本、
静岡もそうなんですけど、様々な
環境の
変化が起きております。簡単に言うと、私
たちが感じている
温暖化、
気候変動に伴ういろんな
変化と言われるものが2倍ほど早く
北極域では
影響が出ている。あるいは、私
たちが感じているよりもっと広範囲に
北極域ではいろいろな
影響が出ていると言われております。
例えば波浪、高潮、
沿岸浸食による被害の増加、あるいは
海洋の
酸性化、
生態系の
変化、
温暖化もそうなんですけれども、
北極で起きたことが
世界に徐々に広がっていっていると、
北極で起きたことが
世界中のいろんなところに
変化として出てきているということも言われております。
北極を
研究すれば
世界の
異常気象、
気候変動が分かるということが言われておりまして、ここの
研究に力を入れることが大変重要だということで、
北極という
テーマが実は出ております。
だから、いきなり一足飛びに
北極というと何でということがあるかもしれませんが、今まで
日本は、
研究者が
北極に力を入れていた。そして、これからもますます入れなきゃいけないし、これが
世界中の
研究の
先端事例になるということで、この
北極での
研究をぜひ
駿河湾、そして
清水港を
拠点としてやっても
らいたいというのが
スマートオーシャン議連の
コンセプトであります。
一方的に私
たちはそういう
価値観というものがあって、
清水をぜひ使ってくれ使ってくれと言ったときに、逆に
JAMSTECとか
文部科学省とか、あるいは
世界の
研究者から見て、この
駿河湾や
清水港はどういうふうに見えているのかということも大事だと思っております。
では、
駿河湾は、どのような
ポテンシャルがあるのか。もう釈迦に説法的なところですけども、
駿河湾は
日本一深い。多様な
生態系を持っている。あるいは火山があるというのも
1つの
魅力だそうです。
当たり前なんですけども、実は今、例えば
皆さんも、八戸や高知、青森、北海道と、「ち
きゅう」号の活動で
地域とも連携していただいていますけれど、
皆さん御
承知のように、あまり言わないかもしれませんけれど、一番立地がいい、
アクセスがいいのが
清水、
静岡なんですね。そういう
意味でも、
研究拠点として
アクセスが好条件というのも実は
研究者にとっては非常に
魅力だそうです。で、ほかの
大都市圏からも、東京、名古屋、大阪、そういったところからも
静岡は来やすく連携しやすい。まさにここにあってくれたら私
たちは快適に過ごせるというのも
研究者の
メリットだそうです。
先ほど言った「ち
きゅう」号が
母港化しているというのもありますし、当然ですけど、
清水港、
静岡は、
港湾物流、あるいは1次
産業、
水産業、
水産加工業もしっかりとしている。で、
エネルギー産業もあると。
先般、
静岡市が
全国に先駆けて、脱
炭素先行地域というものに選ばれました。当時の
鈴木議長が一生懸命、国に
説明に来ていただき、おかげさまで
全国でも先進的な脱
炭素地域を目指すことになりました。この
清水港は、
皆さん御
承知のようにENEOSの
拠点で、
再生可能エネルギーを活用して
水素を製造し、
水素を活用して脱
炭素の
地域を目指そう。あるいは
大谷地区では、
工業団地をつくるに当たって、これからできるだけ脱
炭素の
産業構造にしていこう。あるいは住宅の屋根で太陽光を使って、その電気をうまく融通するPPAを活用していこうなどの事例をこの脱
炭素地域で示していただきました。
民間がいるということも、こういった脱
炭素の
取組があり、
スマートオーシャンを目指すに当たって、
研究者にとって非常に強い、
魅力があるということも言われています。
そのほか
大学、水族館、あるいは博物館といった
文化・
教育拠点があるということも
メリットだそうです。本当に様々、挙げれば切りがないんですけども、いろいろなものがここにそろっているということが
研究拠点、あるいは
研究者にとっても
魅力があるということは既に言われておりますので、ふさわしい
地域であるということは裏づけされております。
さて、
スマートオーシャンというものが、どういうものなのか、
スマートというものも何なのかということはこの
シンポジウムの中でも言われておりますが、単純に訳しますと鋭いとか、賢いとか、格好いいとか、この
スマートの中には含まれておりますが、要は
社会課題を賢く解決して持続可能な
社会をつくっていきましょう、あるいは快適な生活をつくっていきましょうというものが、
スマートシティと言われますけども、
スマートの中に含まれております。
生産性の高い
産業を実現していきましょうみたいなところも含まれております。
今回、
スマートオーシャンという名づけの親の
笹川平和財団の
阪口 秀先生という方がいらっしゃいますが、この
先生が
定義づけをされております。そして、
スマートの
考え方を基に、
海洋に関わる問題を賢く、鋭く、格好よく解決して持続可能な
社会を目指していくことが今回の
スマートオーシャンのネーミングに秘められた
思いであります。
スマート化の
手段として言われているのが
デジタル化、
AI化、そして先ほど言った脱
炭素技術、あるいは様々な
先端技術を
スマート化の
手段として用いなければいけない。こういった
デジタルとか、
AIとか、
先端技術を活用して、そしてこれからの持続可能な
社会をつくっていくということが
研究者の
テーマになっております。ですから、こういったところを
スマートオーシャン議連でも
研究者を支えていく、あるいは
研究者のための
テストベッドと表現していますけども、いろいろな
エリアを提供したり、あるいは
技術も支援したりということが、この
スマートオーシャン議連では柱になっております。
ポイントとしましては、
漁業が分かりやすいんですけど、
デジタルや
AIを活用することによって、今までは漁師を20年30年やっていて、
経験に基づいて、ああ、今日は出るのはやめようとか、このぐ
らいの
気温でこのぐ
らいの波だと、今、魚はこんなもんが捕れるとか、そういった
経験に頼っていたところがあるんですけれど、
デジタルや
AIを活用することによって、あるいは先ほど言った
北極域研究船のような
観測をしっかりやることによって、
データに基づいて、あるいは
技術に基づいて、
経験ではなく誰でもしっかりと判断できるというものをやっていかなければいけないというのが目指す内容としてあります。
あるいは判断ですよね。その人がいなくなってしまったらその
経験がなくなってしまうので、そうではなくて、
データに基づいて、あるいは
技術に基づいて、瞬時に誰でも判断できるというものもやらなければいけないということが
1つの
テーマになっております。そして、新しい
技術、新しい
考え方を導入することによって、
魅力や新しい楽しみみたいなものもつくっていこうというのがこの
スマート化、
スマートオーシャンに期待されていることであります。
ということで、
スマートオーシャンというものはまだ確定した
定義といったものは具体的にはありません。あくまでも、今回、
スマートオーシャン議連を立ち上げて
スマートオーシャンというものを
阪口 秀先生の
定義に基づいてこれから本当にリアルな形に持っていこうという段階ですので、また、ぜひ
皆様方も積極的に参加をしていただければ、そこの
形成に御協力いただけるのではないかなと捉えていただければありがたいと
思います。
要は、海というものは、改めてなんですけど、
地球環境の
影響を非常に受けやすいんですね。今も海水温が上がっているといった現象も出ております。単純な話ですけど、海の中というのは相変わらず目では見えない。あるいはカメラで写しても海の中は見えない。ある程度、レーザーといったもので行っても、10メートル、20メートルは行ったとしても、100メートル、ましてや2,500メートル先なんていうのは全く見る
技術がないという
意味でも、ここの
技術も確立させなければいけない。本当に謎が多い。いまだに。後で出てきますけど、
ヨコヅナイワシなど、新しく見つかったようなものが出てくるぐ
らい生態系が分からない。これをもっともっと
スマート化して、私
たちの持続可能な
社会、あるいは
産業につなげていこうというものが今回期待されているところであります。
今日は、
言葉で
説明してしまいましたけども、これは今日お
手元に配りました資料ですね。この前、
杉山統括監に御活用いただいたと
思いますけども、これが
設立趣意書であります。今、私が
説明したところがここに
集約をされております。簡単に申し上げます。
1番目は背景の
部分ですので、それはそのとおりということです。
2番目のここも、実際には、先ほど言ったように、
駿河湾というのはこれだけ
ポテンシャルがあるんだということを、私
たちだけじゃなくて
研究者とか、いろいろな方々がもう認めていますという
駿河湾の
ポテンシャルのところをこの2で訴えています。
3番目は、
スマートオーシャンというものをやらなければいけないというところを
自分たちで訴えています。
4番目は、既にいろいろな
研究がされていて、
スマートオーシャンはこれから立ち上げるものではないんですよ、
MaOIプロジェクトや「ち
きゅう」号もそうですし、あるいは
大学とか、様々なところで既にやっていますよというところをここに書いております。
そういったことで、5番目は、こういうことで立ち上げますということを書いてあるんですけど、今言いましたように、そこが今回
集約をされているということで御理解をいただければありがたいと
思います。
これはちょっと引用させていただきました。
駿河湾スマートオーシャン構想ということで、あまり丸とか三角は気にされずに見ていただきたいです。こういう課題が
世界中の海にはありまして、これを
駿河湾で、
清水港を
拠点として取り組んでいきましょうということであります。
水問題、
海上物流の脱
炭素化、港湾の脱
炭素化、
海洋プラスチックは既に
取組が進んでいるところでありまして、ある一定の
成果も出ているとこであります。
あるいはシーレーンとか
ブルーエコノミー、持続可能な経済というような
意味合いで言われているそうです。
ブルーカーボンは、藻とか海藻とか、陸で言うところの森林の
炭素の
吸収効果を、
ブルーカーボンといって、海の中でのCO2の自然の蓄積の
能力をいっていますので、ここも今、注目されるもので、
気候変動はまだ取り出す
技術がなかなか難しいというところで、採算が取れないということで、
魅力のあるところですし、
漁業の
スマート化もこれからというところで、いろいろな
テーマがありますが、こういったことを
デジタル、あるいは
AI、様々な
先端技術を使って
駿河湾を
拠点としてやっていこうじゃないかというのが
スマートオーシャン議連の大きな
ビジョンであります。
ここからが一番大切なんですけれど、では、何をするのかというところであります。
3枚目、
JAMSTECにおける
環境DNAに係る主な
取組と
成果、活用の例というのが
スマートオーシャン構想の絵の
裏ページに載っているんですけど、分かりにくいんですけど、
環境DNAという
言葉だけ注目していただければありがたいんです。実は
静岡県が
清水港でやっている
MaOIプロジェクトでこの
環境DNAの
先端研究を、この
MaOIプロジェクトは
五條堀先生という方が
中心になってやっていただいています。この
五條堀先生は
環境DNAの非常に有名な
研究者だそうです。
この
環境DNAとは何かというと、先ほど言ったように海の中というのは見えないんですよね。でも、見えないんですけど、この
環境DNAの
抽出をすると、例えば1時間前、2時間前、3時間前、ちょっと数字的なのは抜いていただいて、海の中のこの
エリアの
DNAを採取すると、半日前にここに先ほど言った
ヨコヅナイワシが実はいたとか、あるいはこの海域に昨日まで
マグロの大群がいたとか、海というのは動いているんですけど、この
環境DNAというものを海の中で
抽出して調べると、そこにちょっと前まで何がいたというのが分かるそうです。この
研究を、今、
MaOIでやっているということが先日の
勉強会でよく分かりました。
今は、どちらかというと、まだまだ海の中を
メッシュに分けて粗い状況なんですけど、もっともっと細かく
メッシュができていろんなところの
環境DNAの
抽出ができるようになると。まずは
駿河湾を
中心にそういったことができるようになると、例えば
サクラエビが今何で捕れないのか、どういった
生態系なのか、本当にいるのかいないのかというものが、今は、例えばある一時期にそこの水をすくってみて
エビがいましたとか、
エビの大きさがこんなものでしたということだったんですけども、この
環境DNAがもっともっと進んでいくと、
駿河湾全体で
リアルタイムに、今、
サクラエビがどこにいるとか、あるいはシラスがこの時期にこれだけ入ってきたとか、あるいはもっと言うと
マグロが入ってきたとか、そういったことが実は分かるというのがこの
環境DNAで、
MaOIプロジェクトが進めていることであります。
なので、この
五條堀先生の
研究を私
たちが聞いたことによって、これを今、国のほうで、何とか
スマートオーシャン議連でバックアップして、予算をつけてもっと進めていかなければならない。
何で大事かというと、いろんな
取組をするのに基本になるものはやっぱり
データなんですね。様々な
環境をまず把握する、
観測するということが大事なので、その
観測の基になるものが
環境DNAの
調査・
研究ということですので、
駿河湾、あるいは
世界の海の
研究の
ベースになるものをこの
MaOIでやっているということで、非常に重要だということで、力を入れてやっております。
続きまして、その次の
ページ、
水産業スマート化推進事業というものがありまして、
スマートオーシャン議連で国に力を入れてくれと申請するということで、検討中とありますけれど、
議連で
上川先生がこの
メニューをつくらせています。
この
きっかけは、伊東に富戸港という港があるんですけど、そこで
日吉さんという
県定置網漁業協会の方がいらっしゃるんですけども、この方がもう既に
スマート漁業をやっております。
定置網の中に筒を入れて、その筒の中に
携帯電話をはめて、網にセンサーをつけておくと、
リアルタイムに
定置網の中に魚が入ってきたり、あるいは網から魚って逃げるんですね。どのタイミングだったら魚がいっぱいいるのかというのをiPadでリアルに見られるんですね。
だから、今までは先ほど言ったように
経験で、恐らくこのぐ
らいの
気温で朝何時だとこのぐ
らいいるだろう、あるいはいないときにも行って引き上げたら何もいなかったということがあるので、そうではなく、
経験則ではなくて、
リアルタイムに見られる
漁業というものをし、もっと言うと、
市場で例えばブリが幾らで売られています。安いときにはちょっと待って網の中に置いといて、高くなったときには、じゃ、今日例えば500キロいるけど、
市場では200キロを求められているから200キロだけ持っていこうとか、いろいろと調整ができる。必要な
資源管理もできて、しかも値段もしっかりしてくる、売上げも上がってくるというものを、
日吉さんが既に
スマート漁業としてやっていて、これはすばらしいということで、この手法を
ベースに
スマート漁業を
全国に展開していこうじゃないかということで、この
メニューをつくらせていただきました。
既にもうやっていることもありますので、そういったことを横展開させていくことも大事だということで、
スマートオーシャン議連では動き始めました。
スマートオーシャン議連は、
上川先生の
言葉でいくと
海洋版の
デジタル田園都市国家構想だと。
デジタルとか
AIとか、
先端技術を使って
海洋の問題を解決していく、地方の
活性化につなげる
海洋版の
デジタル田園都市国家構想だという
思いであります。
この
デジタル田園都市国家構想というのは、まさに新しい
技術を生み出すのではなくて、今ある
デジタルの
技術を横展開していくというものが大事だというのが、
デジタル田園都市国家構想でありまして、
先進事例を競い合う
Digi田甲子園という大会もこの夏から始まりまして、この冬も第2回が開かれますが、そういうことでやっています。ですから、
海洋版の
デジタル田園都市国家構想は、横展開をしていくということが大きな役割の
1つにもなっておりますので、
スマートオーシャン議連でも、決して新しいものではなくて、今あるものを展開していくということも使命だと感じていただければと
思います。
ということで、
スマートオーシャン構想の概要を今日はお話しさせていただきましたが、まだまだ粗い
説明でしたので分からないとこもたくさんあると
思いますが、何かありましたら御質問をいただければと
思います。本日はありがとうございました。
4
◯宮城委員長 深澤議員、ありがとうございました。
──────────────────────────────
5
◯宮城委員長 それでは、これより、質疑応答に移らせていただきたいと
思います。
御質問ある方、いらっしゃいますでしょうか。
6 ◯内田
委員 ありがとうございました。
先日も
特別委員会でこの話の、
説明を受けまして、どういうものかなと思って興味を持ちながら聞いていたんですが、何かよく分からない。それで、三保の
貝島地区を、
清水港のしゅんせつ土で埋立てて、あともう数年ぐ
らいで埋め立てられるんじゃないか。完成しましたら、そこを基地化といいますか、利用していくのかなという話も聞いています。しかし、その前面にはまだ
漁業権が設定されているという問題があって、どういうスケジュールで進めていくのかということは、まだはっきりしないよという話だったんですね。
今、話を聞いて、最初はなかなか難しい話をすると思って聞いていたんですけども、後半、本当に夢のある、深さ2,500メートルの
駿河湾にいろんなものが生息していてという話で、ああ、そういうことかとイメージが持てたんです。
先ほど話のあった
議連がこれからどういう役割を果たしていくのかというのと、それから、
定義があまり決まっていないよという話もされたんですけど、ぼんやりしているもので、
議連の役割がどういう役割か、それから、
議連がずっとこれを推進していくわけじゃないと思うんですけども、新たに団体といいますか、中核となって進めるような、そういう組織をつくっていくのかというイメージですね、その辺の見通しについてお話しいただければありがたいと思うんですけども。
7
◯深澤衆議院議員 御質問いただきまして、改めてありがとうございます。
まず、
議連の役割というものは、いろいろと
説明してしまったので申し訳ないんですけども、改めてもう一回言います。
北極域研究船の
清水港への誘致がまず
1つの
議連としての大きなタスク、目標、
目的です。
もう
1つは、先ほど言った
海洋研究、
教育文化の
拠点、これが貝島のほうです。これは既に
静岡市や
静岡県が何となく構想的に、打ち出していただいていますが、「ち
きゅう」号も、今度の
北極域研究船も、ただ港に着いているだけでは駄目なんですね。やっぱりこの
静岡の
魅力にするためには、降りて陸でいろんなサンプルを
研究したり、
研究に当たって
全国からここに
研究者が集まる、
大学生がここに来て共に
研究する、あるいは
民間の
皆さんがここに集まって共同
研究をする、投資をするみたいなことを貝島でやれたらありがたい。それが
JAMSTECなのか、あるいは様々な
大学なのかはちょっと分かりません。これからです。
なので、
北極域研究船の
母港化というのと
研究拠点、この設立が
議員連盟の役割であります。
そのほか中核になる組織をつくるのかということに関しては、
議員連盟は
議員連盟として
駿河湾を
ベースにしますので、今までどおり組織を続けます。もう
1つ、ちょっと
説明不足だったんですけど、先般、
スマートオーシャン議連とパートナーとして
協議会を立ち上げていただきました。これは
民間だけの
協議会で、
スマートオーシャンを応援してくれるための
民間の組織、港湾に関わるだけじゃないんですが、要は
静岡県内の企業の
皆さんで創造していただければありがたいのですけれども、あと東海
大学、
静岡大学、あるいは東工大、東京
海洋大学とか、そういったところにここに入っていただいています。その組織を新しく
協議会としてつくりました。私
たち議員だけではなくて、
民間、
大学、
研究機関といったところで、まずは先ほどの2つの目標を掲げて取り組んでまいります。
いかがでしょう。
8
◯宮城委員長 どなたか、ほかに質問ありますか。
9 ◯高木
委員 どうもありがとうございます。
静岡市は、
世界に輝く
静岡の実現ということを都市目標にしているんですけども、まさにこういう事業が
世界に貢献できるということで、
静岡市の目指すべき方向かなと思われますので、我々も一生懸命やりたいなと思っております。「ち
きゅう」号もそうですけども、やっぱり先ほども言われた
研究拠点が
地域にないと、ここからの情報発信であるとか
地域の
産業への波及、これらがなかなか見えてこないなということがあります。
令和6年には船は完成する、
令和8年には活動開始だということになると、ぐずぐずしていられないなという感じがしましたので、先ほど内田
委員も言ったんですけど、市としても動きをしないといけないかなと思っているんですけども、その辺のスケジュール感を教えていただければと
思います。
10
◯深澤衆議院議員 大きな課題は、これは「ち
きゅう」号もそうなんですけど、物理的なちょっと課題というのはあります。岸壁の整備というところは実際にはあります。そう簡単に予算はぼんとつかないですし、岸壁の整備も時間がかかります。そういった物理的な課題というものが
1つあると
思います。これは国のほうでも、また県、市にも御協力いただいてしっかりと進めていきたいと思っています。
今、
上川陽子先生が
中心になって
議員連盟が進めておりますが、一番気にしているのは、先行してある「み
らい」という
北極域探索船があって、これは既にむつを
拠点としてやっておりまして、地元ももうそこが
拠点だと思っているんですね。これを
清水港を
母港化にと引っ張ってきてしまうと、「ち
きゅう」もそうなんですけど、誘致合戦みたいなことになってしまうので、それはよくない。競争ではなくて必然的に
清水港にいるみたいなものをつくっていきたいなということで、穏やかに、今、
取組をしているというのが正直なところです。
時間がない中で、じゃ、どうするのかというのは、先ほど言ったように、実は
清水港というのはほかの港より
ポテンシャルが高いんですね。だから、そこをしっかりと認識しながら機運を高めていくことが重要だと思っていますので、そういったところでは、またこういった
勉強会とか意見交換会とかを丁寧に積み重ねながらやれば、私が言うのもなんですけども、いいのではないかと、間に合うのではないかというふうに思っております。間違いなく竣工しますし、それをどこに泊めるかというのは泊めなきゃいけないので、
ポテンシャルとして
清水はかなり高いというところで捉えていただいて、一緒に
取組をしていただければと
思います。
11 ◯寺澤
委員 ありがとうございます。
清水の議員として、本当にこれについてはしっかりと進めていただきたい、そんな期待感が出るような話でありました。
1点、
水産業の
スマート化というので、私は、すごくこれに注目していまして、以前、境港へ行ったときに非常にこれに取り組んでいる地元の水産会社がありまして、そこは養殖でしたが、かなり
デジタル化してやっていると。まだ試験の段階なんですがね。
いろいろ話を聞いたのですが、その中で、一番やっぱり抵抗したのは地元の漁協さんの理解を得るのが大変だったと。というのは、やっぱり今まで人海戦術でやっていたところが、
デジタルによって人が減るということで、じゃ、
自分たちの仕事を取られちゃうんじゃないかといった抵抗感がある。これは実際、
全国どこでもそうだと思うんです。
これをやるについては、やっぱり漁協さんとか、あるいは所管する農林水産省あたりがしっかりと理解して普及しなきゃいけないということがあると思うんですが、そのあたりについては、
取組というか、お考えというのはどうかというのを教えていただければと
思います。
12
◯深澤衆議院議員 ありがとうございます。
例えば今回、伊東の富戸港の事例を出しましたけども、伊東の
日吉さんのところの
定置網は、従業員の平均の年齢が大体30代なんですよ。いろんな異業種から転職して入ってきている方がいます。網代にも
定置網がありまして、実はもっと社員が若くて、平均年齢が20代なんですって。ということで、ちゃんともうかればそこに人が集まってくる、若い担い手が集まってくるということが裏づけられているというのが
日吉会長のお
言葉なんですね。
先ほどの
デジタル田園都市国家構想もそうなんですけど、横展開をしていく、要は事例をどんどん上げていく。先ほどの境港の事例もそうなんですけど、やっぱり好事例を上げていくということしか
手段はないのかなと私は認識しておりますので、もうかればみんなやりたがるので、そういう
意味では、私
たちも好事例をどんどん発信して、そのために先ほど言ったような補助や支援があるよというところを丁寧に普及していきたいと今は考えております。
いかがでしょうか。
13
◯宮城委員長 どなたかほかにいらっしゃいますか。
14 ◯児嶋
委員 今日はありがとうございました。
目的の
1つに、今、建設中の
北極域探索船の
清水港への誘致というところがあるんですけども、ほかの港でも同じように考えているような港があるのか、今後出てくる
可能性があるのかというのと、実際に
清水港が選ばれるためにどういうところをもっと強化した
らいいのかというところを教えてください。
15
◯深澤衆議院議員 はい、分かりました。
先ほどちょっと触れたように、今、積極的に誘致など何かしなければいけないという
思いは本当にありがたいのですけど、ちょっと今の段階では引っ張り合いにならないようにというのが狙いで、先般、
静岡市議会の
皆さんが神奈川で「ち
きゅう」号の会議に出られたんですね。その場に
上川先生も顔を出されたと
思いますけども、
スマートオーシャン議連の
国会議員がこぞって行ってしまうと、何か
静岡がそれを引っ張っていくみたいな印象を持たれるとまずいねと。やはりみんなで協調して「ち
きゅう」号、あるいは
海洋研究というものは進めましょうという姿勢でやっていきながら、着々と準備をしていく。
ですから、先ほどの高木
委員への答えじゃないんですけど、足りないものはやはり岸壁の整備だと
思います。
研究拠点を、どのようにつくるのか、誰が整備していくのかということなので、ハード整備をどうした
らいいのかということと、先ほど内田
委員がおっしゃった
漁業権はその先だと
思いますので。
先ほど言った
民間の
協議会の中には漁協さんも入っていただいているので、決して漁協は敵じゃないと、一緒につくり上げていくというところで意識していますので、そんな形で、まず地元で必要なものをどのように整備するのかということを一緒に考えていければと
思います。
16
◯宮城委員長 よろしいでしょうか。
この辺で時間ですけど、最後に、鈴木
委員、ありますでしょうか。
〔鈴木
委員「ありません」〕
17
◯宮城委員長 本当に今日はありがとうございました。
様々な観点から地理的な観点からも、この
地域の
ポテンシャルの高さが
スマートオーシャン構想に適しているという話はよく分かりました。これからも勉強していきたいと
思います。
本日はお忙しい中、ありがとうございました。
18
◯深澤衆議院議員 どうもありがとうございました。
19
◯宮城委員長 では、深澤議員、ここで退席となります。ありがとうございます。
〔深澤衆議院議員退席〕
20
◯宮城委員長 皆様、ありがとうございました。
駿河湾スマートオーシャン構想の
講話につきましては、以上とします。
──────────────────────────────
21
◯宮城委員長 続きまして、
会議順序3、その他に移ります。
前回の
委員会で視察について
委員から発言がありました。
駿河湾スマートオーシャン構想の
講話、そして中部横断自動車道を活用した観光誘客等については、当局から話を聞き、そのときに他都市の状況を
調査してみてはどうかという発言もありました。
私も、他の都市の
取組や成功例、実情や
問題点等を直接伺い、感じ取ることは
委員にとっても必要と考えておりますので、可能なら12月26日、27日で計画をしようと
思いますが、
皆さん、いかがでしょうか。
〔「異議なし」〕
22
◯宮城委員長 ありがとうございます。ただ、コロナ感染の8波が来ているようなので、計画はしていきますけれども、もしもそれが実現できなかった場合は1月に管内視察を考えたいと
思います。その2つの考えを持って視察のことを進めていきたいと
思います。
その辺、何か御意見ございますか。
〔「ありません」〕
23
◯宮城委員長 では、意見もないようですので、そのようにしたいと
思います。
本日の
協議事項は以上です。
──────────────────────────────
24
◯宮城委員長 以上で本日の
特別委員会を閉会いたします。
午前10時18分散会
──────────────────────────────